タイヤの空気圧はどれくらいがベスト? 高めにするメリットとデメリット

タイヤの空気圧「ちょっと高め」なぜ推奨される? どれくらい高めがベスト? 高めのメリット・デメリットは?(くるまのニュース) - Yahoo!ニュース

タイヤはクルマの安全性や燃費に大きく影響する部分です。 そのため、タイヤの空気圧を適切に保つことが重要です。 しかし、タイヤの空気圧はどれくらいがベストなのでしょうか。 メーカーが推奨する指定空気圧に従えば良いのでしょうか。 それとも少し高めに設定しておくべきでしょうか。 この記事では、タイヤの空気圧について、現役整備士のT氏の見解を紹介します。

タイヤの空気圧はなぜ重要なのか

タイヤの空気圧は、クルマと路面をつなぐ唯一の接点として、以下のような役割を果たしています。

  • 荷重に対して衝撃を吸収し、乗り心地を向上させる
  • 路面との摩擦力を高め、制動距離を短くする
  • 接地面積を適正に保ち、偏摩耗を防ぐ
  • 転がり抵抗を低減し、燃費を向上させる

これらの役割を適切に果たすためには、タイヤの空気圧を適正なレベルに保つ必要があります。 しかし、タイヤの空気圧は、時間の経過や気温の変化によって低下してしまいます。 そのため、定期的にチェックして補充することが必要です。

タイヤの空気圧はどれくらいがベストなのか

タイヤの空気圧の目安として、メーカーは各車種に対して「指定空気圧」を設定しています。 指定空気圧は主に運転席側のドアを開けたピラー部分に刻印されたプレートで表示されています。 この数字は、クルマの重量やタイヤのサイズなどに応じて最適化されたものです。 しかし、指定空気圧に従うだけでは、空気圧の低下や走行状況に対応できない場合があります。 そこで、T整備士は、指定空気圧よりも少し高めに設定することを推奨しています。

「タイヤはその構造上、少しずつ空気が抜けていくものです。 バイクや自転車でも同じですが、重量があるクルマの場合は、空気圧が1か月で約5%程度低下(抜けて)してしまうと言われています。 そして街を走る乗用車の4台に1台が空気圧不足とも言われているのです」(T整備士)

空気圧が低下すると、タイヤはへこんで接地面積が増え、転がり抵抗が大きくなります。 その結果、燃費が悪化したり、タイヤが過熱したり、偏摩耗したりする可能性があります。 また、制動距離が長くなったり、操縦安定性が低下したり、バーストする危険性も高まります。 そうならないためにも、空気圧の低下を予防することが大切です。

「メーカーが推奨する指定空気圧のレベルに保つことは重要なのですが、実際は空気圧チェックを頻繁にしていない人が多く、そのため空気が少しずつ減ることを想定して、少し高めを推奨することが多いようです」(T整備士)

空気圧を高めにすることには、メリットとデメリットがあります。 メリットとしては、燃費の向上が挙げられます。 空気圧が高ければタイヤは丸く膨らんで硬くなり、接地面積も小さくなります。 それだけ転がり抵抗が小さくなり、燃費が向上する可能性は高いでしょう。 デメリットとしては、偏摩耗や制動距離の増加、乗り心地の悪化が挙げられます。 タイヤが膨らむと接地面積が減り中心部だけ摩耗する「偏摩耗」が起きやすくなりますし、接地面積が減ることで摩擦力も減少するので、制動距離も長くなってしまいます。 さらに、硬くなるということは衝撃を吸収しにくくなるため、路面のギャップを拾いやすくなって乗り心地が悪化します。

「空気圧は高めが良いとは言われますが、高ければ高いほど良いわけではありません。 空気圧が高すぎると、タイヤの性能が発揮できなくなり、安全性や快適性に影響が出ます。 そのため、空気圧を高めにする場合は、適度な範囲に留めることが大切です」(T整備士)

では、空気圧をどれくらい高めにするのが適切なのでしょうか。 T整備士は、以下のように答えています。